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前の問題


問3 敬語
ア


会席の担当者がお客様に対して、営業担当が話を聞いていることについて述べています。
1 お話を賜った
は、「偉い人からお話を聞いた」という内容になるため、適切ではありません。
1は、間違いです。
2 伺った
では、
「聞く」の謙譲語Ⅰである「伺う」
が使われています。
「聞く」という行為の相手であるお客様を立てられているので、適切な表現ですね。
2は、正しいです。
3 お伺い申し上げた
では、
「聞く」の謙譲語Ⅰである「伺う」
「お~申し上げる」という謙譲語Ⅰ
が使われています。
謙譲語+謙譲語になっており、二重敬語ですね。
2は、間違いです。
4 お話しさせていただいた
は、内容が違いますね。
これでは「営業担当者から話した内容」であり、「お客様が聞いてきた内容」になっていません。
4は、間違いです。
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
イ


会席の担当者が事前にお客様に送ったプランを見てもらえたかを確認しています。
1 ご笑覧くださいましたでしょうか
で使われている「ご笑覧」は、自分の作品などを上の立場の人に見てもらうときの表現ですね。
1は、間違いです。
2 ご検討いただけましたでしょうか
では、
「ご~いただく」という謙譲語Ⅰ
丁寧語の「ます」
が使われています。
「でしょうか」とすることで、
ご検討いただけましたか
よりも遠回しに状況を確認することができていますね。
2は、正しいです。
3 お手元に届いていらっしゃいますでしょうか
では、
「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」
丁寧語の「ます」
が使われています。
「届いている」のは、プランなので、尊敬語は適切ではありません。
3は、間違いです。
4 ご確認なさいましたでしょうか
では、
「ご~なさる」という尊敬語
丁寧語の「ます」
が使われています。
「確認する」のはお客様であり、尊敬語の使用自体は問題ないのですが、表現が直接的であり、催促しているような印象になってしまいますね。
4は、間違いです。
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
尊敬語とは?
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
ウ


会席の担当者がお客様が心配していることについて述べています。
1 心配しておられるのが
では、
「いる」の謙譲語Ⅱである「おる」
が使われています。
お客様側の行為については、謙譲語Ⅱを使えないですね。
1は、間違いです。
2 ご懸念しておいでなのが
では、
「ご~する」という謙譲語Ⅰ
「~ている」の尊敬語である「~ておいでになる」
が使われています。
「懸念する」は、相手がいない行為のため、謙譲語Ⅰが不適切ですね。
2は、間違いです。
3 ご憂慮なさっているのが
で使われている「憂慮」とは、「良くないことを心配すること」であり、ここでは不適切ですね。
3は、間違いです。
4 心配なさっていらっしゃるのが
「~なさる」という尊敬語
「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」
が使われています。
「心配する」の主体であるお客様を立てることができていますね。
4は、正しいです。
尊敬語とは?
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
謙譲語Ⅱとは?
自分側の行為・ものごとなどを,話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
エ


会席の担当者が自分たちのホテルの料理長について述べています。
1 携わってまいりました
では、
「くる」の謙譲語Ⅱである「まいる」
が使われていますね。
自分たち側の行為について、聞き手に丁重に述べることができています。
1は、正しいです。
2 一家言持っております
は、その人独自の主張・論説があることを
3 貢献しておりました
では、料理長に功績があることを述べており、お客様の心配に対する返答としては、不適切ですね。
2と3は、間違いです。
4 携わってございます
では、
「ある」の謙譲語Ⅱである「ございます」
が使われています。
これだと
○ 携わっている
ではなく、
× 携わってある
になってしまいますね。
4は、間違いです。
謙譲語Ⅱとは?
自分側の行為・ものごとなどを,話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
オ


会席の担当者が、祝いの席を家族写真の撮影で終わりにすることを述べています。
1 お仕舞にさせていただきます
の「お仕舞」は、「終わり」を意味します。
忌み言葉なので、お祝いの席では避けるべきですね。
1は、間違いです。
2 とどこおりなく終了となります
の「終了」も、1と同じく忌み言葉ですね。
2は、間違いです。
3 お開きとさせていただきます
の「お開き」を使うことで、「終わり・終了」などの忌み言葉を避けることができます。
3は、正しいです。
4 幕引きとさせていただきます。
の「幕引き」は、「芝居を終えること」を意味します。
お祝いの席を終わらせる内容ではないですね。
4は、間違いです。
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過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

