令和5（2023）年度 第1回 問2の過去問解説！【日本語検定 3級】

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問2　敬語

一

暑中見舞いなどの手紙の末尾に用いられる慣用表現なので、

3　ご自愛（専一）のほど

が適切ですね。

ご自愛ください

と表現されることもありますが、「専一」がつくことで「ご自愛」を強調することができます。

3が正解です。

解説　専有

「専有（せんゆう）」とは、自分ひとりだけで所有することです。

解説　専念

「専念（せんねん）」とは、心を1つのことに集中することです。

解説　専一

「専一（せんいつ）」とは、もっぱらそれに打ち込んで、他を顧みないことです。

二

案内文などの手紙の冒頭に用いられる表現なので、

2　貴社におかれましては、ますます（ご清栄）のこととお喜び申し上げます。

が適切ですね。

「ご清栄」の部分は、

• ご盛栄
• ご隆盛
• ご発展

などと表現されることもあります。

また、「お喜び」の部分は、

• お慶び

と表記されることもあります。

2が正解です。

解説　健勝

「健勝（けんしょう）」とは、（相手の）健康がすぐれてすこやかなことです。

解説　清栄

「清栄（せいえい）」とは、清く栄えることです。
手紙などで、相手の健康・繁栄などを祝うときに用いる表現です。

解説　高配

「高配（こうはい）」とは、「他人の配慮」の尊敬語です。

三

手紙の末尾に用いられる表現なので、

1　（乱筆）乱文お許しくださいませ。

が適切ですね。

• 「乱筆」 … 自分の筆跡をへりくだって言う語
• 「乱文」 … 自分の文章をへりくだって言う語

であり、自分の書いた文を謙遜する表現として用いられます。

1が正解です。

解説　乱筆

「乱筆（らんぴつ）」とは、自分の筆跡をへりくだって言う語のことです。
特に、手紙の文中に用いられます。

解説　乱雑

「乱雑（らんざつ）」とは、入り乱れて秩序のないことです。

解説　乱調

「乱調（らんちょう）」とは、調子が乱れていることです。

四

イベントでの挨拶で用いられる表現なので、

3　（僭越）ながら

が適切ですね。

挨拶で用いられることが多いのは、

• 僭越ながら

ですが、同じような意味を表す語として

• 恐縮ながら
• 及ばずながら

などもあります。

3が正解です。

解説　恐悦

「恐悦（きょうえつ）」とは、つつしんでよろこぶことです。
「恭悦」とも書きます。

解説　滅相

「滅相（めっそう）」とは、とんでもなくでたらめなことです。

解説　僭越

「僭越（せんえつ）」とは、自分の身分や地位をこえて出過ぎたことをすることです。

五

打ち合わせの冒頭で話す表現なので、

3　（ご多用）のところ

が適切ですね。

• お忙しいところ
• ご多忙のところ

なども、同じ内容を表すことができます。

3が正解です。

解説　性急

「性急（せいきゅう）とは、気短で落ち着きがないことです。

解説　焦心

「焦心（しょうしん）」とは、思いをこがすことです。

解説　多用

「多用（たよう）」とは、用事が多く、忙しいことです。

過去問で確認したいこと

過去問演習では、
「どのような知識が」
「どのように出題されるか」
の2点を確認しましょう。

特に、

• 敬語
• 文法

の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。

過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、

「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」

のどちらなのかを明確にすることです。

前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。

• 語彙
• 言葉の意味
• 漢字

のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、

• 敬語
• 文法

のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。

また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。

日本語検定は、1級から4級で、

• 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
• 1問1問の難易度が異なる

という違いはあるものの、

• 敬語
• 文法

のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。

敬語であれば、

• 尊敬語
• 謙譲語Ⅰ
• 謙譲語Ⅱ
• 丁寧語
• 美化語

の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか？」「どのような語が該当するか？」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。

文法であれば、

• 動詞
• 副詞
• 助詞

などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法（使い方）を整理しておきましょう。

例えば、

買い物に行くので、8時に駅に集合してください。

には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。

買い物に

の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。

また、

8時に

の格助詞「に」は、時を

駅に

の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。

まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。

この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。

• 過去問を解いていて、不安が残る分野
• もっと解くスピードを上げたい分野

があれば、ぜひご活用ください。

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