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前の問題


問5 敬語
ア


専務の北村さんが、入社三年目の吉田さんに対して、海外事業部への移動と新規プロジェクトのリーダーになることを打診しています。
選択肢は、いずれも「思いがけないこと」を表していますが、「自分が望んでいたこと以上であること」を表すのは
3 望外
だけですね。
3が正解です。
解説 案外
解説 心外
解説 望外
解説 存外
イ


選択肢で使われているのは、動詞の「出す」です。
それぞれの選択肢を見てみると、
1 出してくれました
では、「ます」という丁寧語だけ
2 アイディアを出していただきました
では、「いただく」という謙譲語Ⅰ
3 出してくださいました
では、「くれる」の尊敬語である「くださる」
4 お出ししてくださいました
では、「お~する」という尊敬語+「くれる」の尊敬語である「くださる」が使われていることがわかります。
この発言をしているのは、海外事業部長の堀川さんであり、入社三年目である堀川さんに尊敬語を用いるのは、不自然ですね。
3と4は、間違いです。
また、
2 彼女は、いくつものアイディアを出していただきました
は、主語と述語がねじれていますね。
「出していただきました」が述語に来るのであれば、
○ (我々は)彼女に、いくつものアイディアを出していただきました
にする必要があります。
2も間違いです。
1 彼女は、いくつものアイディアを出してくれました
のように、丁寧語だけの表現が良いですね。
1が正解です。
丁寧語とは?
話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
尊敬語とは?
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
ウ


抜擢を打診された吉田さんが、海外事業部長の山下さんに、新規プロジェクトの内容について尋ねています。
1 お聞かせいただきたいです
では、
「聞く」の使役形の「聞かせる」の尊敬語
謙譲語Ⅰの「いただく」
が使われています。
敬語の使い方に誤りはないのですが、少し要求を前面に出し過ぎている印象になってしまいますね。
2 お聞かせください
では、
「聞く」の使役形の「聞かせる」の尊敬語
が使われています。
敬語の使い方に誤りはないのですが、これも少し要求を前面に出し過ぎている印象になってしまいますね。
3・4を見てみましょう。
「聞く」の謙譲語Ⅰである「伺う」が使われており、聞く相手である海外事業部長の山下さんを立てることができています。
3 伺ってもいいでしょうか
4 お伺いできますか
を比べると、3は、上席者への発言としては、くだけ過ぎていますね。
4が正解です。
尊敬語とは?
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
エ


海外事業部長の山下さんが、入社三年目の吉田さんにフランスへの留学経験があることを尋ねています。
1 ご留学された
では、「ご~する」という謙譲語Ⅰと尊敬の助動詞「れる」
2 留学された
では、尊敬の助動詞「れる」
3 ご留学なされた
では、「ご~なさる」という尊敬語と尊敬の助動詞「れる」
4 ご留学になられた
では、「ご~になる」という尊敬語と尊敬の助動詞「れる」が使われていることがわかります。
「留学する」には、向かうべき相手がいないため、謙譲語Ⅰを用いることはできません。
1は、間違いです。
また、3と4は、尊敬語が重ねられており、二重敬語になっています。
3・4は、間違いです。
残った
2 留学された
が良いですね。
2が正解です。
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
尊敬語とは?
相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて,その人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
オ


入社三年目の吉田さんが、自身のフランス語について述べています。
1 熟練いたしました
は、自信過剰な印象になってしまいますね。
「熟練する」は、
○ フランス語に熟練する
のように、格助詞「に」を使って対象を表すため、
× フランス語を熟練する
では、文法的にも正確ではありません。
1は、間違いです。
3 お勉強いたしました
では、向かうべき相手がいるわけではない「勉強する」に、謙譲語Ⅰの「お~いたす」が用いられています。
3は、間違いです。
4 学ばせていただきました
も、向かうべき相手がいるわけではない「学ぶ」に、謙譲語Ⅰである「いただく」が用いられています。
4は、間違いです。
残った
2 学びました
が良いですね。
2が正解です。
謙譲語Ⅰとは?
自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう先の人物を立てて述べるもの。
敬語の指針
平成19年度2月2日
文化審議会答申
カ


入社三年目の吉田さんが、参加者に対して意気込みを述べています。
1 ご期待に沿えないかもしれませんが
4 正直、自信はありませんが
は、少し卑屈な印象になってしまいますね。
1と4は、間違いです。
「役不足」とは、「その人の能力に対して、役目が軽すぎること」であり、「力不足」を指す語ではありません。
2 まだまだ役不足ではありますが
は、自信過剰な印象になってしまいますね。
2は、間違いです。
残った
3 多々、至らぬ点があるかもしれませんが
が良いですね。
3が正解です。
次の問題


過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

