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前の問題


問5 敬語
ア


選択肢で使われているのは、動詞の「務める」です。
「務める」という動きには、向かう相手がいないため、
お務めします
のように、「お~する」という謙譲語Ⅰを使うことができません。
2 お務め申し上げます
は、「申し上げる」という謙譲語Ⅰが使われています。
「務める」という動きには、向かう相手がいないため、謙譲語Ⅰは不適切です。
3 お務めいたします
は、「お~する」という謙譲語Ⅰの「する」の部分を謙譲語Ⅱの「いたす」にしています。
これも、謙譲語Ⅰが使われているため、不適切です。
丁寧語だけが使われている
4 務めます
が良いですね。
これが正解です。
イ


伊藤部長が、部下である木村課長に頼む内容について発言しています。
選択肢2~4で使われている「いただく」は、「もらう」の謙譲語Ⅰです。
部下に対してなので、動きの向かう先を立てる謙譲語Ⅰを用いるのは、不自然ですね。
そのままで問題ないので、1が正解です。
ウ


木村課長が準備した動画について、松本常務に率直な遠慮のない意見を求めています。
3 (忌憚)のないご意見
が良いですね。
3が正解です。
解説 屈託
解説 忖度
解説 忌憚
解説 予断
エ


伊藤部長から見て、タオさんは、別部署の人です。
自分の部下ではないので、傍線部や2のように呼び捨てにするのは、適切ではないですね。
この時点で、1・2が選択肢から除外されます。
4 タオさんが担当させていただきます。
は、「タオさんが」の部分が不自然ですね。
格助詞「が」を用いるのであれば、
タオさんが担当します。
格助詞「に」を用いるのであれば、3のように、
タオさんに担当していただきます。
だと、自然な表現になります。
3が正解です。
オ


伊藤部長が松本常務に、場合によっては質疑応答で答えてもらう可能性があることを伝えています。
傍線部そのままの
1 お答え願うことになりますが
だと、「願う」という動きの相手である松本常務を立てられていません。
また、「~になります」とお願いする内容を言い切っているのも不自然ですね。
1は、不適切です。
2 ご回答いただくことになりますが
は、1と同じく、「~になります」がお願いする内容を言い切っている部分が不自然ですね。
2は、不適切です。
3 お答え願うかもしれませんが
は、1と同じく、「願う」という動きの相手である松本常務を立てられていません。
3は、不適切です。
4 ご回答をお願いするかもしれませんが
は、「お~する」という謙譲語Ⅰを用いて、「願う」という動きの相手である松本常務を立てられています
また、「~しれませんが」という控えめな表現も良いですね。
4は、適切な内容です。
カ


伊藤部長が、自分の部下である木村課長に、動画を松本常務に見せるように指示を出しています。
傍線部そのままの
1 お見せください
は、「お~くださる」という尊敬語を自分の部下に使っているため、不適切です。
3 お見せしてあげてください
は、「お~する」という謙譲語Ⅰが使われているのは良いのですが、「してあげる」が恩着せがましい印象になっていますね。
これは、
4 見せて差し上げてください
も同様です。
2 お見せしてください
のように、
- 「お~する」で、見せる相手である松本常務を立てる
- 「ください」で自分の部下である木村課長に丁寧に指示する
のが良いですね。
2が正解です。
次の問題


過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

