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問4 文法
解説 「ている」の用法
具体的・1回的な動きを表す動詞の「する形」は、基本的に、過去または未来の事態を前後に切れ目のある・ひとまとまりの運動としてとらえます。
Aさんがイスの上に立つ。
具体的・1回的な動きを表す動詞の「している形」は、進行中・結果・経歴などを表します。
【進行中】
Aさんがイスの上に立っている。
【結果】
Aさんは、すでにイスの上に立っている。
【経歴】
Aさんは、前にもイスの上に立っていて先生に注意された。
このように、動きの局面を表す文法カテゴリを「アスペクト」と言います。
今回は、「ている形」の用法として、
- 進行中
- 反復
- 経歴
- 結果
の4つが選択肢になっていますね。
「進行中」とは、動きが持続している局面を状態として表すもののことです。
選択肢Aが「進行中」の用法に該当します。
【進行中】
台風の影響で、雨が降っている。
部員たちがグラウンドを走っている。
「反復」とは、動きが複数回繰り返されている状態を表すもののことです。
選択肢Bが「反復」の用法に該当します。
【反復】
佐藤さんは、いつもコンビニで昼食を買っている。
毎朝、学校まで電車に乗っている。
「経歴」とは、特定の時点より前に動きがあり、そのことが特定の時点に何らかの関わりがあることを状態で表すもののことです。
【経歴】
私は、以前にもこの本を読んでいる。
田中さんは、1990年に歌手デビューしている。
「結果」とは、結果の維持や残存の局面を状態として表すもののことです。
【結果】
ずっと窓が開いている。
先週から壁の時計が壊れている。
それぞれの文が
- A:進行中の用法
- B:反復の用法
- C:経歴の用法
- D:結果の用法
のいずれに該当するかを見ていきましょう。
ア


ここでの
訪れている
は、過去に「訪れる」という経歴があることを表していますね。
Cが正解です。
イ


ここでの
勉強している
は、発話時に「勉強する」という動きが進行中であることを表していますね。
Aが正解です。
ウ


ここでの
行っている
は、「ロンドンに行く」という動きの結果がそのままになっていることを表していますね。
Dが正解です。
エ


ここでの
行っている
は、「朝礼を行う」という動きが毎日反復されていることを表していますね。
Bが正解です。
オ


ここでの
起こっている
は、「地震が起きる」という動きが頻繁に反復されていることを表していますね。
Bが正解です。
カ


ここでの
生じている
は、「欠員が生じる」という動きの結果がそのままになっていることを表していますね。
Dが正解です。
キ


ここでの
読みふけっている
は、「読みふける」という動きが進行中であることを表していますね。
Aが正解です。
ク


ここでの
受賞している
は、過去に「受賞する」という経歴があることを表していますね。
Cが正解です。
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過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

