令和5(2023)年度 第1回 問17の過去問解説!【日本語検定 3級】

日本語検定 過去問解説
はりねずみ隊長

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問17 総合問題

正解は…2

(ア)を含む「『時短』が…」から始まる第3段落を見てみましょう。

  • 「時短」は、とにかく所要時間が短くなることが重要
  • 「タイパ」は、費やした時間に対して成果が十分かが重要

ということが述べられています。

まず、成果である「完成品」に触れられていない1と3を選択肢から除外することができますね。

残った2と4を見ていきましょう。

(ア)を含む文は、

所要時間が短くなる(=時短になっている)としても、(ア)だと、タイパは良くない。

という内容になっています。

4のように、

所要時間が短くなる(=時短になっている)としても、かけた時間以上の価値が完成品にあるのであれば、タイパは良くない

だと、内容が文脈と合っていないですね。

2の内容だと、

所要時間が短くなる(=時短になっている)としても、完成品がその時間に見合ったものでなければ、タイパは良くない

となり、文脈に合致します。

2が正解です。

正解は…4

「取捨選択」と似た意味を表すのは、「ふるいにかける」ですね。
4が正解です。

解説 取捨選択

「取捨選択(しゅしゃせんたく)」とは、悪いものや不用なものを捨て、良いものや入用なものだけを選び取ることです。

解説 しのぎをけずる

「しのぎをけずる(鎬を削る)」とは、激しく争うことです。

解説 かまをかける

「かまをかける(鎌をかける)」とは、相手に本音を吐かせるために、たくみに誘いをかけることです。

解説 けりをつける

「けりをつける」とは、物事を終結させることです。

解説 ふるいにかける

「ふるいにかける(篩にかける)」とは、多くの中から良いものだけを選び出すことです。

正解は…1

(ウ)に入るのは、「タイパ」の評価軸が何と何かです。
「『タイパ』というのは…」で始まる第2段落からわかる通り、「タイパ」とは

かけた時間に対する成果の度合い

のことですね。

(ウ)には、「時間」と「成果」が入ります。

(エ)が入る文の前には、

「タイパ」は、時間の消費に自覚的になるという点で有意義な考え方だ。

ということが述べられています。

(エ)が入る文は、「しかしながら」で始まるので、これを否定する内容が適切ですね。

(エ)には、「損得抜き」が入ります。

正解は…3

「以前…」で始まる第5段落を見てみましょう。

ここでは、

本を読む前に口コミなどの世間の評判を確認するか?

という問いに対する

得られるものがなければ時間の無駄なので確認する

という意見がタイパ重視のものであり、筆者はそれに共感できないことが述べられています。

3が適切ですね。
これが正解です。

念のため、ほかの選択肢も見ておきましょう。

第5段落で述べられているのは、

2つの意見の片方をタイパ重視だからと言って切り捨てることはできない

ということです。

無意識にタイパ重視となって、前者の意見を切り捨てているという危機感がある

という内容ではないですね。
1は、間違いです。

第5段落では、筆者が

タイパ重視の考え方には共感できない

ということが述べられています。

タイパの考え方が生活を充実させる

という考え方は、筆者の意見とは逆ですね。
2は、間違いです。

第5段落では

  • タイパ重視でない考え方
  • タイパ重視の考え方

の2つがあり、筆者が前者に共感していることが述べられています。
時間に対する意識の変化に言及しているわけではないですね。
4は、間違いです。

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過去問で確認したいこと

過去問演習では、
「どのような知識が」
「どのように出題されるか」

の2点を確認しましょう。

特に、

  • 敬語
  • 文法

の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。

過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、

「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」

のどちらなのかを明確にすることです。

前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。

  • 語彙
  • 言葉の意味
  • 漢字

のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、

  • 敬語
  • 文法

のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。

また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。

日本語検定は、1級から4級で、

  • 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
  • 1問1問の難易度が異なる

という違いはあるものの、

  • 敬語
  • 文法

のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。

敬語であれば、

  • 尊敬語
  • 謙譲語Ⅰ
  • 謙譲語Ⅱ
  • 丁寧語
  • 美化語

の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。

文法であれば、

  • 動詞
  • 副詞
  • 助詞

などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。

例えば、

買い物行くので、8時集合してください。

には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。

買い物

の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。

また、

8時に

の格助詞「に」は、

駅に

の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。

まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。

この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。

  • 過去問を解いていて、不安が残る分野
  • もっと解くスピードを上げたい分野

があれば、ぜひご活用ください。

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この記事を書いた人

大手進学塾での国語科主任を経て、日本語教師をしています。

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