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前の問題


問3 文法
一


五段活用の動詞は、未然形+「せる」で使役形になる。
選択肢で使われているのは、動詞の「買う」ですね。
「買う」は、
未然形 | 買わ-ない |
連用形 | 買い-ます |
終止形 | 買う |
連体形 | 買う-とき |
仮定形 | 買え-ば |
命令形 | 買え |
のように、ワ行の五段活用です。
五段活用の動詞は、
- 読む → 読ま-せる
- 話す → 話さ-せる
のように、未然形+「せる」で使役形にすることができます。
2 買わせる
が良いですね。
これが正解です。
1 買わさせる
のように、不要な「さ」が挿入された表現を「さ入れ言葉」と言います。
- 着る → き-させる
- 寝る → ね-させる
といった上一段活用・下一段活用の動詞は、未然形+「させる」で使役形を作るのですが、これと混同したことによる誤用です。
二


下一段活用の動詞は、未然形+「られる」で受身形になる。
選択肢で使われているのは、動詞の「変える」ですね。
「変える」は、
未然形 | 変え-ない |
連用形 | 変え-ます |
終止形 | 変える |
連体形 | 変える-とき |
仮定形 | 変えれ-ば |
命令形 | 変えろ |
のように、下一段活用です。
下一段活用の動詞は、
- 寝る → ね-られる
- 蹴る → け-られる
のように、未然形+「られる」で受身形にすることができます。
1 変えられる
が良いですね。
1が正解です。
2 変えれる
のように、必要な「ら」が抜け落ちた表現を「ら抜き言葉」と言います。
- 読む → 読ま-れる
- 話す → 話さ-れる
といった五段活用の動詞は、未然形+「れる」で受身形を作るのですが、これと混同したことによる誤用です。
三


「支払える」は、1語で可能の意味をもった可能動詞。
選択肢で使われているのは、動詞の「支払える」ですね。
- 見える
- 聞こえる
- 読める
- 話せる
のように、1語で可能の意味をもった「可能動詞」という特殊な動詞です。
「支払う」は、
未然形 | 支払わ-ない |
連用形 | 支払い-ます |
終止形 | 支払う |
連体形 | 支払う-とき |
仮定形 | 支払え-ば |
命令形 | 支払え |
のように、五段活用です。
一方、可能動詞の「支払える」は、
未然形 | 支払え-ない |
連用形 | 支払え-ます |
終止形 | 支払える |
連体形 | 支払える-とき |
仮定形 | 支払えれ-ば |
命令形 | 支払え |
のように、下一段活用なので注意しましょう。
今回は、
( )店が増えてきて…
のように、名詞が後続しているので、連体形の
1 (支払える)店が増えてきて…
が良いですね。
1が正解です。
2 (支払えれる)店が増えてきて…
のように、不要な「れ」が挿入された表現を「れ足す言葉」と言います。
これは、
- 見える → 見えれる
- 読める → 読めれる
のように、可能動詞に可能の助動詞「れる」を付加してしまうことによる誤用です。
四


現代日本語では、形容詞(イ形容詞)の活用の仕方は、1種類しかない。
選択肢で使われているのは、形容詞(イ形容詞)の「痛々しい」ですね。
現代日本語の形容詞(イ形容詞)の活用の仕方は、1種類しかありません。
未然形 | 痛々しかろ-う |
連用形 | 痛々しかっ-た 痛々しく-て |
終止形 | 痛々しい |
連体形 | 痛々しい-とき |
仮定形 | 痛々しけれ-ば |
命令形 | 〇 |
今回は、「て」が後続するので、連用形の
2 痛々しくて
が良いですね。
2が正解です。
五


名詞を動詞として使うには、「する動詞」にする必要がある。
「空回り」は、名詞です。
そのため、名詞として使うには、
空回りする
のように、「する動詞」にしなければなりません。
- 散歩する
- 行動する
などと同じように、サ行変格活用なので、
未然形 | 空回りし-ない |
連用形 | 空回りし-ます |
終止形 | 空回りする |
連体形 | 空回りする-とき |
仮定形 | 空回りすれ-ば |
命令形 | 空回りしろ 空回りせよ |
であり、「て」が後続するのは、連用形です。
1 空回りして
が良いですね。
1が正解です。
話し言葉では、
空回る → 空回って
も耳にしたことがあるかもしれませんが、どちらが適切かというと、
空回りする → 空回りして
だと判断できます。
次の問題


過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

