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前の問題


問17 総合問題
一


本文では、
- 洞窟壁画や土偶では、人間がデフォルメされている。
- 原因として、自分というものを視覚的に対象化できなかった説や人間は自分が自然から切り離されることに恐怖や不安を覚えた説が有力である。
- 伝説などで人間と自由に話し合える動植物が出てくるのは、人間がもう鳥や獣のように自然のままに生きていくことができないことへの悲哀や不安があるのではないだろうか。
という内容が述べられています。
2が正解です。
ほかの選択肢も確認しておくと…
自分というものを視覚的に対象化できなかった
と
自分が自然から切り離されることに恐怖や不安を覚えた
は、人間がリアルに表現されないことについての2つの有力な説であり、両者の因果関係は本文中で言及されていません。
1は、間違いです。
人間が人間を描くことはタブーだったという考え方もあるが、~という説が有力である。
とある通り、
自分というものを視覚的に対象化できなかった
ことが有力だとしているものの、
人間が人間をタブーだった
という考え方を否定しているわけではありません。
3は、間違いです。
人間がもう鳥や獣のように自然のままに生きていくことができないという悲哀や不安
は、伝説や民話・童話におけるものであり、洞窟壁画についての記述ではありません。
4は、間違いです。
二


本文では、
- あらゆる電子製品に欠かせない半導体は、次世代産業やサイバー戦争においても重要である。
- 昨今の国際情勢においても、台湾を巻き込んだ米中対立やロシアによる半導体を抽出した武器転用など、半導体を制するものが世界を制すると言っても過言ではない。
という内容が述べられています。
3が正解です。
ほかの選択肢も確認しておくと…
より微小な半導体の開発を急いでいるのは、
× 電気・自動車産業を初めとする産業
ではなく、
○ 人工知能や自動運転などの次世代産業
ですね。
1は、間違いです。
かつてトップレベルにあった日本の半導体産業
とある通り、日本が遅ればせながら半導体の生産と開発に力を入れ始めたわけではないですね。
2は、間違いです。
ロシアは、輸入した家電製品から不足している半導体を抽出して武器に転用している
という事例の記述はありますが、どの国にとっても半導体が軍事利用の面で重要だとは述べられていません。
4は、間違いです。
三


本文では、
- プライバシーの権利は、住宅に個室があることと密接な関係にある。
- 今日の情報化社会では、プライバシーは「個人情報の保護」という要素が強くなってきた。
- マイナンバー制度に対する不安も、情報システムへの漠然としたものであり、単に技術的な問題だけで解決できるものではない。
という内容が述べられています。
1が正解です。
ほかの選択肢も確認しておくと…
漠然とした不安があるのは、
× 自分のプライバシー
に対してではなく、
○ 個人の手から離れた情報システム
に対してですね。
2は、間違いです。
自己のアイデンティティや自分らしさになやんだり、ひきこもりになったりする
ことが
個人情報の保護
の目的になっているわけではないですね。
3は、間違いです。
一人で放っておいてもらう権利
は、提唱された当初の「プライバシーの権利」の内容ですね。
今日の情報化社会で守られるべきプライバシーの内容が変わってきたことについては述べられていますが、「一人で放っておいてもらう権利」が意味を失っているかについては、記述がありません。
4は、間違いです。
四


本文では、
- 小学生のいる家庭では、「小一の壁」に続いて、「小四の壁」も問題となっている。
- 「小四の壁」は、学童待機児童が最も多い学年という「居場所の問題」に加えて、発達段階に応じて生じる問題も関わる。
- 政府も改善の必要性を認識しているものの、保護者が子どもを見守りながら、子どもが悩みを打ち明けられるような関係を築いていくことも必要である。
という内容が述べられています。
2が正解です。
ほかの選択肢も確認しておくと…
「小一の壁」「小四の壁」ともに
子どもの居場所の確保
が必要だとは述べられているものの、確保できればどちらも大きな「壁」とはならないとまでは言及されていません。
1は、間違いです。
保護者が子どもを見守りながら、子どもが悩みを打ち明けられるような関係を築いていくことも必要である
とある通り、「小四の壁」において、保護者が解決できることが限られているわけではありません。
3は、間違いです。
保護者が子どもを見守りながら、子どもが悩みを打ち明けられるような関係を築いていくことも必要である
という記述は、「小四の壁」についての内容です。
「小一の壁」については、保護者に求める内容についての記述はないですね。
4は、間違いです。
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過去問解説の一覧


過去問で確認したいこと
特に、
- 敬語
- 文法
の2分野は、「解説を見れば、なんとなくわかるんだけど…」となりやすいのではないかと思います。
過去問を解いたときに、間違えた問題ごとに意識したいのは、
「そもそも知識がなくて解けなかった」
「知ってはいたが、問題になると解けなかった」
のどちらなのかを明確にすることです。
前者であれば、過去問を丁寧に解きながら、1つずつ知識の穴を埋めていきましょう。
- 語彙
- 言葉の意味
- 漢字
のような分野であれば、まとめて暗記していけるのですが、
- 敬語
- 文法
のような分野は、問題の文脈とセットで取り組むのがおススメです。
また、後者であれば、多くの練習問題で知識と問題のギャップをなくしていきましょう。
「わかる→できる」になることで、問題を解くスピードを上げていくことが大切です。
日本語検定は、1級から4級で、
- 語彙・言葉の意味・漢字などの聞かれる範囲が異なる
- 1問1問の難易度が異なる
という違いはあるものの、
- 敬語
- 文法
のような難易度が高い分野で必要な知識に大きな差があるわけではありません。
敬語であれば、
- 尊敬語
- 謙譲語Ⅰ
- 謙譲語Ⅱ
- 丁寧語
- 美化語
の5分類がそれぞれ「どのように定義されているか?」「どのような語が該当するか?」を整理しておきましょう。
その際に、単語を覚えていくのではなく、文章の中で登場人物を確認しながら見ていくのがおススメです。
文法であれば、
- 動詞
- 副詞
- 助詞
などの品詞ごとに、それぞれの語のもつ用法(使い方)を整理しておきましょう。
例えば、
買い物に行くので、8時に駅に集合してください。
には、3つの格助詞「に」がありますが、すべて用法が違います。
買い物に
の格助詞「に」は、「行く」という移動の目的を表しています。
また、
8時に
の格助詞「に」は、時を
駅に
の格助詞「に」は、「集合する」という移動の着点を表していますね。
まとまった参考書・問題集はないので、過去問で出てきた語の用法を1つずつノートなどにまとめていくのがおススメです。
この「日本語検定ナビ」では、分野ごとの練習問題を多数掲載しています。
- 過去問を解いていて、不安が残る分野
- もっと解くスピードを上げたい分野
があれば、ぜひご活用ください。

